【ORAS/スマブラSP】主人公になれなかった彼の人・ヒガナを救いたい

 

↑ヒガナさん

(1960文字 3分40秒)

自分はポケモンブーム第一世代の初代から本編は原則プレイしてきましたが、ルビーサファイアだけはずっと未プレイでした。それが長い間心の中で引っかかっていたのですが、スマブラSP環境においてルビーサファイアをプレイしたいという気持ちを増幅させるきっかけがあったので、この度2022年5月のゴールデンウイークを利用しついにリメイク作品オメガルビー/アルファサファイア(以下ORAS)をプレイするに至ったのです。

 

きっかけはスマブラSPの1ステージ「ポケスタ2」でした。このステージはバランスの良さからアイテム無しタイマン連中のスマブラシーンにおいて見ない日はありません。このステージの中に「戦闘!伝承者ヒガナ」、ORASのBGMがありました。ポケスタ2に採用されているBGMは、スマブラコミュニティ(≒耳の肥えたゲームオタクたち)の間で評価が高いものがそろっています。その激戦区ともいえる中でも一定の人気を誇る「戦闘!伝承者ヒガナ」の存在は、自分にルビーサファイアをプレイしたいと思わせるのに十分でした。

↑こういう舞台で流れるヒガナ、ずるい

もちろん、高い評価を受けて気になるというだけでなく、相当自分好みなBGMだったのもあります。ルビーサファイアをプレイしていなかった自分にとって、この戦闘!伝承者ヒガナを初めて聞いた日からORASを初プレイするまでの期間は「ヒガナはどんなキャラクターなんだろう」という空想を楽しく沸かせるものになっていました。シリアスな曲調、使命感や現実の厳しさのようなものを想起させるメロディ、そして伝承者というワクワクさせる単語・・・。

 

プレイし終えた感想。

評判に違わぬおもしろいゲームでした。難易度的にもラティを縛れば程よく、廃人のためのシステムであったサーチ関係もストーリーで十分楽しめる満足度。テクニシャンキノガッサマッハパンチ連発の爽快感。シリーズ初の高速アタッカー草御三家ジュカインがだいぶ期待外れだったのも良し。登場勢力すべてが最終的にひとつの目標に向かっていくのは王道というほかなし。文句なし。ただひとつ、ヒガナの扱いに不満が残った・・・。

 

‐自分の中で勝手にヒガナが大きいものになっていた

空想を楽しく沸かせる期間、というのがどうもダメだったらしい。「あのヒガナさんをこんな扱いにしやがって!」という自分勝手な怒りをどう表現すればよいか難しいところではありますが、これは自分の中にあったポケモン作品に対する漠然とした不満と結びつき、異形の悪魔と化しました。

 

ポケモンに対して気になり続けていた点

ポケモンRPGの側面からみた場合、「主人公が短期間で覇者になりすぎる」という問題があります。BWあたりからどうもそういう点をストーリー側がわざわざ強調してきますし、さらにはバトル以外の要素も主人公がすごい!と。

↑僕はバトルは諦めてダンスの道に行くよと言いながら62レベルのポケモンで主人公に襲い掛かるデブ

↑兄に憧れ主人公に折られた男

そんななか問題のヒガナ

ヒガナは言ってしまえばリメイク版の追加コンテンツ。自分を揺さぶってくれたあのBGMそのもの。ストーリー終盤、ホウエンの世界の存亡をかけたシリアスな展開、明確に語られてはいないが明らかに大切な何かを失うほど自分を犠牲にしてまでホウエンを救う使命感に動く伝承者ヒガナ。

 

クリア後にいろいろな他人の感想や考察を読みました。ヒガナの立ち回りが理にかなってないとか、大事なことが語られなさ過ぎるとか、色々言われてます。そんなのはいいんです。ただただヒガナが救われなさすぎる、この一点です。伝承者としての使命、何代にもわたってホウエンを救うために動き、またヒガナ自身も自分を56してまで尽力したのだろうというのが想像できます。そんな人がポケモンの悪い癖「主人公がすごい!」の踏み台に簡単になってしまったのです。ほぼ主人公の役割であるにもかかわらず、主人公ではないという一点だけで主人公の踏み台になった上に、その救済が一切ありません。結果論だけで言えばヒガナは大事な何かを失っただけの存在になったのです。なぜ適任者がヒガナから主人公に移ったのか?一切語られないがゆえに「主人公じゃなかったから」と解釈するしかないのです。

 

↑すこ

そしてヒガナ推しに

こんなかわいそうなキャラクター、ポケモン原作史上存在しただろうか?公式で冷遇、ネットの評判も悪い。すかぽんのにちじょうは、これからもヒガナを推していきます。よろしくお願いします。