【OW2】メタの再現に拘ってはいけない 構成の強さには二つの軸がある

2022/12/20 2600文字 5分45秒)

負けにくくなるための考え方(≠勝ちやすくなる考え方)

 

覇権のFPSがひとまずの落ち着きを見せたこのタイミングでリリースされたことで、OW2はひそかに盛り上がりを見せています。ありがたいことにyoutubeSNSの発達で、数々の先人達の開拓を私たち一般プレイヤーが享受する機会が増えました。上から降りてきた攻略・知識・情報で特に話題になるのがメタ構成だと思います。それの多くはバランス調整によって環境が変わった時、「今はこの構成が強い!」という話が上から降りてくるものです。また、私はこういった上から降りてきた攻略・知識・情報を便宜的にきれいな攻略と呼んでいます。

 

上から降りてくるというのがミソで、降りてきた情報が必ずしも自分の環境で活きてくれるとは限りません。上の環境と自分の環境とにスキル差、ゲーム理解度の差があるので、このギャップを理解してキャラピックができるようになると技術ではなく知識の面で上達し、負けにくくなるプレイを獲得することができます。

 

格闘ゲーム界隈ではプラチナダイア相当のプレイヤーがキャラランクやキャラダイアを自分なりに考えて発表し、それが嘲笑されるということがたまにあります。しかしOW2においては、こういった「練度が高くない自身の環境で通じる攻略・知識・思考」というのが負けにくくなるためにはとても大事になってきます。このブログ内ではこういった自身の環境でのみ通用する攻略・知識・情報を便宜的にカジュアルな攻略と呼んでいます。カジュアルな攻略はインターネットの海で見つけることがほとんどできないので、知り合いから聞く、自分でプレイを重ねた結果その攻略にたどり着くことでしか獲得できません。

 

さて本題。

構成の強さには二つの軸がある

「リーパーソジョーンキリコルシオメタ環境(OW2最初期環境)のとき、上位の人たちが言った通りこの構成はめちゃ強かったよ、リーガーはザリアじゃなくてウインストンが選ばれてた程度の違いはあったけど・・・」

情報に敏感になりながらオーバーウォッチ2をプレイした人はこの初期環境をこう思ったかもしれません。実はこれ、上から降りてきたきれいな攻略とカジュアルな攻略が一致したメタです。

構成の強さには、その構成のポテンシャル/強さの上限の高さ軸と、上位勢のプレイを再現しきることができなくてもある程度の強さが保証されている強さ下限の高さ軸があります。このリーパーソジョーンキリコルシオメタは、上限・下限どっちも高かったといえます。このブログで取り上げたいのはもちろん強さ下限の高さ軸のほうでございます。

 

オーバーウォッチ2の構成は原則大きく分けてダイブ構成・ポーク構成・ラッシュ構成の3系統があります。

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↑めっちゃわかりやすい参考資料

練度が低い環境では、フォーカス/エイム/スキルの使い方が甘い(=火力が低い)、息が合わない、前に出るタイミングが遅い、甘い差し込みをしてしまうという特徴があります。ラッシュ構成はこれらの特徴をすべてリターンに変換しやすいのです。

ラッシュ構成 範囲回復とスピード速度UPスキルを軸に耐久力が高く近距離戦に強いヒーローで固まりながら敵陣めがけて突進する戦術。

【改訂】🆕オーバーウォッチの用語集(2022/11/9) | d3watch.gg

 

リーパーソジョーンキリコルシオメタもこれ。

 

  • フォーカス/エイム/スキルの使い方が甘い(=火力が低い)

ラッシュっぽい構成の硬さを存分に発揮できるようになります。お互いの火力が低ければ、どれだけグダっても最終的に構成の体力差で圧すことができます。初心者に優しい。

 

  • 息が合わない

ラッシュっぽい構成はシンプルに固まって動けばある程度形になるので、息を合わせることに意識を割かなくても良い場合が多いです。

 

  • 前に出るタイミングが遅い

タイミングが命のダイブ構成と違い、ラッシュっぽい構成は好機の際に前に出るのがある程度遅くてもそこまで問題になりません。また、これはきれいな攻略では絶対語られませんがむしろ前に出ないでことで相手がミスり(=相手のゲンジトレーサーとかが甘い差し込みをしてくる)それを前に出なかったがゆえに安定して狩ることで結果的になんかリターンを得ちゃったというパターンも多々出てきます。一応注意ですが「前に出なくても何とかなることがある」のであって「前に出なくてよい」ではないです。

 

つまり練度が低い環境ほど防御力が高い構成が強いです。それゆえに、ラッシュっぽい>ダイブっぽい>ポークっぽいの順で強く、そこからまた少し練度が上がる環境になるとラッシュっぽい≒ダイブっぽい>ポークっぽいの順になります(もちろんその時のメタによるが傾向として)。

 

 

それでも今はドゥームトレーサーのダイブが下のほうでも強い。何故か。

ダイブ構成というのは体力を犠牲に機動力とフォーカスで先に1キルとってしまおうという構成す。本来バランス的には複数のヒーローでフォーカスしながら飛んで初めてキルが見込めるというものですが、今の環境はなぜか単体でキルを見込める性能をもつヒーローが2体飛んできます。っていうかドゥーム自体がめちゃ硬いキャラというのも関係がある気がする。

 

そろそろスキルレート帯ごとの環境乖離が始まる可能性がある

推測になるが、バランス調整班は初期環境をザリア、次にドゥームトレを意図的に強くしてOWの基本的でわかりやすい構成であるラッシュとダイブを新規プレイヤーに学んでほしかったという意図があるような気がしてなりません(ソンブラゲンジが初期にナーフ入ったのもその意図と推測)。二つの異なる構成を経て学んだのち、現在ブイブイ言わせてるわかりやすく強いヒーローが整えられることがあれば、上のほうではこういうメタだけど俺たちはこっちのほうが勝てるという考え方をし始めるでしょう。実際OW1のときに、どれだけ上位環境がラッシュ以外になっても下のほうのレート帯はハルトザリア軸構成(ラッシュ、もしくはラッシュに近い構成)の構成が人気で勝率が良かったデータもあります。上位勢の攻略をそのまま採用するのではなく、自分たちなりの改造を加えて負けにくい戦略の考え方ができるようになると、オーバーウォッチまたはまた少し楽しいゲームになるはずです。

↑メタ入りこそしないがそれとなく環境に刺さり続けてるおじさん