ソジョーンは聖域となるか。弱体化されにくいヒーローやロールがある
オーバーウォッチ1の歴史上、強さが問題だと大して叫ばれてないにもかかわらず弱体化が入ったり、逆に叫ばれ続けても弱体化が入らないものがあります。
めちゃめちゃ弱体化されやすい部類・タンク
オーバーウォッチはタンク・ダメージ・サポートの3職に分かれています。一見するとタンクはチームの盾となり、ダメージが火力を出し、サポートが全体を支えるというバランスになっているように見えますが、実際はタンクが体力と火力を武器にエリアを確保し、サポートが全体を支えながら火力を出し、ダメージは火力をだして試合を動かすきっかけを作るというバランスになっています。実はダメージロールっていなくても試合が成立するのです。OW1のメタ史でもロールロック(タンク2ダメージ2サポート2の編成を強制する後期に作られたルール)が始まるまではダメージ枠を採用しないか1枠にする戦法も何度か登場したし、ロールロック後から現在に至るまでも「タンクが仕事しすぎててダメージが活躍しないまま勝利してないか?」という試合もままあります。結果、タンクが強いとダメージの存在価値が薄れるので、タンクはめちゃめちゃ弱体化を食らいやすいロールになっています。タンクロール間のバランスとともにダメージロールとのバランスでも調整を考えられるのです。
弱体化されやすい部類・ウイドウ以外のヒットスキャン射撃
ヒットスキャンとは本来即着弾の射撃を意味する言葉であるがオーバーウォッチではそこから転じて狭義にソルジャー、キャスディ、アッシュ、ウイドウの遠距離の即着弾精密射撃が可能なヒーローをさす言葉になっています。ウイドウを除く彼ら+バスティオン、アナ、バティストの射撃はゲーム全体のバランスを見ながらちょくちょく調整が入ります。理由としてヒットスキャンダメージロール間での役割バランスをとることと、ヒットスキャンが強すぎるとファラゲンジエコーが動けなくなるのを危惧していると考えられます。ソルジャーは射撃ダメージが19と20を行ったり来たりしているので、彼の調整を見てればブリザードが今ゲームをどういう調整にしたいのかなんとなくわかったりします。
弱体化されやすい サポのヒール速度/量
サポートのヒール速度/量はたびたび調整が入ります。特にマーシーのような継続ヒールタイプのヒール速度とアナのナノブや昔のブリギッテのパックのような即時回復は目を付けられることが多いです。
部分的聖域(弱体化されにくい)部類
・ゲンジの龍撃剣(ナノ龍剣)、ウィドウのメイン射撃、ハンゾーのメイン射撃の3つ。
これらは昔からたびたび文句を言われてるけれど動画ウケがいいからなのかOW1中期以降デカい弱体化が入りませんでした。一応OW1→2にかけて龍撃剣ダメージが10下がって110になってたらしいけどまあここから性能下がることはないでしょう
彼ら3人は弱体化されるとき、ほぼ必ずこの3つの要素以外が調整されるし、3つの要素が調整されたとしてもそこまで大きくないものばかりなので、練習しておく価値が高いヒーローだといえます。
聖域
性能が近距離軸であるが故にメタの影響を受けやすいヒーローですが、どうもトレーサーを全体のバランス調整の軸としているっぽくずっといじられないことで有名です。一応OW1のときにultパルスボムダメージが400→300→350と大きく変遷したことはあったけど、それ以外ではトレーサー自体にでなく対トレーサーとして他が強化されることのほうが多かったです。常にある程度強いし、はっきり言って最も練習する価値が高いキャラの一人でしょう。
ソジョーンはOW2の聖域となるか
OW1の顔がトレーサーで聖域ならOW2の顔になりつつあるソジョーンは聖域になるのか?すでに初期からナーフが入ったが、ほぼヒットスキャンヒーローである以上さらなるナーフがある可能性もあるし、もしかしたら聖域補正でこれ以上ナーフが入らないこともあるかもしれない。
【OW2】カウンターピックは重要。だが重要視しすぎるのは非常に危険、理由4つ。
(1940文字 5分)
オーバーウォッチといえばカウンターピック、カウンターピックといえばオーバーウォッチ。そのときの戦況に合わせてヒーローを変えることがこのゲームのウリの一つであります。OW2からは、ヒーロー変更時に30%までultゲージを引き継ぐ新仕様になったことでよりその意味が大きくなりました。しかし、ここで注意しなければならないのはカウンターピックは可能ならば可能であるだけしたほうが良いかというと全くそうではないのです。カウンターピックするうえでの注意点やデメリットを並べたい。
- 理由1 今作は受け的思考のカウンターピックが強くない
OW1と比べるとだいぶ弱いです。原因として、OW1でカウンターピックの帝王だったマクリー=フラッシュバンさん、ダメージロールドゥームフィストが不在、そしてブリギッテのバッシュのスタン効果削除の点があげられます
↑OW2にいるのは、マクリー=フラッシュバンさんのそっくりさんである
またタンクが一人減ったことで、敵味方のダメージロールのプレイヤースキルバトルがより明確に発生するようになり、受け的思考で相手をいなしたりハメたりするような戦略はおおむね過去のものになりました。
- 理由2 そのカウンターピックは本当に必要か?
特に対レッキングボールでよく発生しますが、相手のレッキングボールがめんどくさくはあるが試合を支配まではしてない時、ハードカウンターであるからと言ってソンブラやホッグをだして楽しようとすると思います。しかしこのタイプのカウンターピックは非常に危険です。OW2は強みを押し付けるのが強いゲームなので、自チームの強みを欠いてまでカウンターピックをする価値があるかどうかは常に考える必要があります。
- 理由3 負けにくくはなるが、勝ちにくくなる
これはダメージロールの、1試合1試合の話ではなくプレイヤーの成長としての話です。カウンターピック原理主義としてプレイしていると「下振れを極度に嫌う」「有利を押し付けて、相手より少ない練度で勝つ」「ピック幅が無駄に広くなる」傾向にあります。結果として難易度が高くないヒーローを浅くたくさん使うことができるようになるが、ゲンジトレーサーウイドウなどの難易度が高い代わりに強さの上限が高いキャラをつかうことができないプレイヤーになります。結果、爆発力と上振れがない、成長の遅いプレイヤーが完成することになります。
↑この辺のキャラを好んで使う感じになる
↑ここら辺を使うのをためらうようになる
↑色気を出して妥協択になりえるアッシュ
- 理由4 ウイドウゲーが開幕したとたんに打つ手無し
実体験に基づく、最大のデメリット。相手のウイドウが暴れてるときの対策といえば、ウィンストン、レッキングボール、トレーサーゲンジで強襲を仕掛ける、またウィドウやハンゾーでスナイパー合戦に持ち込むの2種類あります。これらのメンツをみてわかる通り、対策のためのヒーローはウィンストン以外どれも(カウンターを遂行するための)難易度が高く、そのウィンストンですら相手にリーパーというハードカウンターがいるだけでだいぶ動きづらくなります。対ウィドウ用にウィドウを練習するのであれば、それもう普段のヒーロープールにウィドウを入れとけっていう話になってしまう。
難易度が高い対ウイドウ兵器のみなさん
←
リーパーやホッグに守られた頭抜いてくるウィドウはまじでヤバイ
おまけ カウンターピックを行うときのコツ
カウンターピックをするときはカウンターピックを「したのか」「させられたのか」を意識すると良いです。一見すると言葉遊び・メンタル論のようにみえますが、この考え方には強みをうまく押し付けたほうが勝てる、押し付けられたほうが負けるOW2のゲーム性があります。
・カウンターピックを「した」認識の場合
自軍と敵の戦況は五分か微不利、相手に若干先手を取られてはいるが今からカウンターピックをすれば挽回が見えるという状況。また、カウンターピック先のヒーローもそれなりに使い込んでる。
→勝利も十分視野に入るゲームになる
・カウンターピックを「させられた」認識の場合
敵チームの誰かが大暴れしていて、戦況は不利、すでにスノーボールが始まろうとしている状況。カウンターピック先のヒーローは練度が足りてないかもしくは敵の暴れているヒーロー以外のメンツに苦手なヒーローが存在する状況。
※スノーボール
→苦しい試合展開になり、そのままプレイしていては勝利が見込めなく、大胆な戦略変更や味方の覚醒を祈ることになる。
【OW2】メタの再現に拘ってはいけない 構成の強さには二つの軸がある
(2022/12/20 2600文字 5分45秒)
負けにくくなるための考え方(≠勝ちやすくなる考え方)
覇権のFPSがひとまずの落ち着きを見せたこのタイミングでリリースされたことで、OW2はひそかに盛り上がりを見せています。ありがたいことにyoutubeやSNSの発達で、数々の先人達の開拓を私たち一般プレイヤーが享受する機会が増えました。上から降りてきた攻略・知識・情報で特に話題になるのがメタ構成だと思います。それの多くはバランス調整によって環境が変わった時、「今はこの構成が強い!」という話が上から降りてくるものです。また、私はこういった上から降りてきた攻略・知識・情報を便宜的にきれいな攻略と呼んでいます。
上から降りてくるというのがミソで、降りてきた情報が必ずしも自分の環境で活きてくれるとは限りません。上の環境と自分の環境とにスキル差、ゲーム理解度の差があるので、このギャップを理解してキャラピックができるようになると技術ではなく知識の面で上達し、負けにくくなるプレイを獲得することができます。
格闘ゲーム界隈ではプラチナダイア相当のプレイヤーがキャラランクやキャラダイアを自分なりに考えて発表し、それが嘲笑されるということがたまにあります。しかしOW2においては、こういった「練度が高くない自身の環境で通じる攻略・知識・思考」というのが負けにくくなるためにはとても大事になってきます。このブログ内ではこういった自身の環境でのみ通用する攻略・知識・情報を便宜的にカジュアルな攻略と呼んでいます。カジュアルな攻略はインターネットの海で見つけることがほとんどできないので、知り合いから聞く、自分でプレイを重ねた結果その攻略にたどり着くことでしか獲得できません。
さて本題。
構成の強さには二つの軸がある
「リーパーソジョーンキリコルシオメタ環境(OW2最初期環境)のとき、上位の人たちが言った通りこの構成はめちゃ強かったよ、リーガーはザリアじゃなくてウインストンが選ばれてた程度の違いはあったけど・・・」
情報に敏感になりながらオーバーウォッチ2をプレイした人はこの初期環境をこう思ったかもしれません。実はこれ、上から降りてきたきれいな攻略とカジュアルな攻略が一致したメタです。
構成の強さには、その構成のポテンシャル/強さの上限の高さ軸と、上位勢のプレイを再現しきることができなくてもある程度の強さが保証されている強さ下限の高さ軸があります。このリーパーソジョーンキリコルシオメタは、上限・下限どっちも高かったといえます。このブログで取り上げたいのはもちろん強さ下限の高さ軸のほうでございます。
オーバーウォッチ2の構成は原則大きく分けてダイブ構成・ポーク構成・ラッシュ構成の3系統があります。
↑めっちゃわかりやすい参考資料
練度が低い環境では、フォーカス/エイム/スキルの使い方が甘い(=火力が低い)、息が合わない、前に出るタイミングが遅い、甘い差し込みをしてしまうという特徴があります。ラッシュ構成はこれらの特徴をすべてリターンに変換しやすいのです。
ラッシュ構成 範囲回復とスピード速度UPスキルを軸に耐久力が高く近距離戦に強いヒーローで固まりながら敵陣めがけて突進する戦術。
【改訂】🆕オーバーウォッチの用語集(2022/11/9) | d3watch.gg
リーパーソジョーンキリコルシオメタもこれ。
- フォーカス/エイム/スキルの使い方が甘い(=火力が低い)
ラッシュっぽい構成の硬さを存分に発揮できるようになります。お互いの火力が低ければ、どれだけグダっても最終的に構成の体力差で圧すことができます。初心者に優しい。
- 息が合わない
ラッシュっぽい構成はシンプルに固まって動けばある程度形になるので、息を合わせることに意識を割かなくても良い場合が多いです。
- 前に出るタイミングが遅い
タイミングが命のダイブ構成と違い、ラッシュっぽい構成は好機の際に前に出るのがある程度遅くてもそこまで問題になりません。また、これはきれいな攻略では絶対語られませんがむしろ前に出ないでことで相手がミスり(=相手のゲンジトレーサーとかが甘い差し込みをしてくる)それを前に出なかったがゆえに安定して狩ることで結果的になんかリターンを得ちゃったというパターンも多々出てきます。一応注意ですが「前に出なくても何とかなることがある」のであって「前に出なくてよい」ではないです。
つまり練度が低い環境ほど防御力が高い構成が強いです。それゆえに、ラッシュっぽい>ダイブっぽい>ポークっぽいの順で強く、そこからまた少し練度が上がる環境になるとラッシュっぽい≒ダイブっぽい>ポークっぽいの順になります(もちろんその時のメタによるが傾向として)。
それでも今はドゥームトレーサーのダイブが下のほうでも強い。何故か。
ダイブ構成というのは体力を犠牲に機動力とフォーカスで先に1キルとってしまおうという構成す。本来バランス的には複数のヒーローでフォーカスしながら飛んで初めてキルが見込めるというものですが、今の環境はなぜか単体でキルを見込める性能をもつヒーローが2体飛んできます。っていうかドゥーム自体がめちゃ硬いキャラというのも関係がある気がする。
そろそろスキルレート帯ごとの環境乖離が始まる可能性がある
推測になるが、バランス調整班は初期環境をザリア、次にドゥームトレを意図的に強くしてOWの基本的でわかりやすい構成であるラッシュとダイブを新規プレイヤーに学んでほしかったという意図があるような気がしてなりません(ソンブラゲンジが初期にナーフ入ったのもその意図と推測)。二つの異なる構成を経て学んだのち、現在ブイブイ言わせてるわかりやすく強いヒーローが整えられることがあれば、上のほうではこういうメタだけど俺たちはこっちのほうが勝てるという考え方をし始めるでしょう。実際OW1のときに、どれだけ上位環境がラッシュ以外になっても下のほうのレート帯はハルトザリア軸構成(ラッシュ、もしくはラッシュに近い構成)の構成が人気で勝率が良かったデータもあります。上位勢の攻略をそのまま採用するのではなく、自分たちなりの改造を加えて負けにくい戦略の考え方ができるようになると、オーバーウォッチまたはまた少し楽しいゲームになるはずです。
【ORAS/スマブラSP】主人公になれなかった彼の人・ヒガナを救いたい
(1960文字 3分40秒)
自分はポケモンブーム第一世代の初代から本編は原則プレイしてきましたが、ルビーサファイアだけはずっと未プレイでした。それが長い間心の中で引っかかっていたのですが、スマブラSP環境においてルビーサファイアをプレイしたいという気持ちを増幅させるきっかけがあったので、この度2022年5月のゴールデンウイークを利用しついにリメイク作品オメガルビー/アルファサファイア(以下ORAS)をプレイするに至ったのです。
きっかけはスマブラSPの1ステージ「ポケスタ2」でした。このステージはバランスの良さからアイテム無しタイマン連中のスマブラシーンにおいて見ない日はありません。このステージの中に「戦闘!伝承者ヒガナ」、ORASのBGMがありました。ポケスタ2に採用されているBGMは、スマブラコミュニティ(≒耳の肥えたゲームオタクたち)の間で評価が高いものがそろっています。その激戦区ともいえる中でも一定の人気を誇る「戦闘!伝承者ヒガナ」の存在は、自分にルビーサファイアをプレイしたいと思わせるのに十分でした。
もちろん、高い評価を受けて気になるというだけでなく、相当自分好みなBGMだったのもあります。ルビーサファイアをプレイしていなかった自分にとって、この戦闘!伝承者ヒガナを初めて聞いた日からORASを初プレイするまでの期間は「ヒガナはどんなキャラクターなんだろう」という空想を楽しく沸かせるものになっていました。シリアスな曲調、使命感や現実の厳しさのようなものを想起させるメロディ、そして伝承者というワクワクさせる単語・・・。
プレイし終えた感想。
評判に違わぬおもしろいゲームでした。難易度的にもラティを縛れば程よく、廃人のためのシステムであったサーチ関係もストーリーで十分楽しめる満足度。テクニシャンキノガッサでマッハパンチ連発の爽快感。シリーズ初の高速アタッカー草御三家ジュカインがだいぶ期待外れだったのも良し。登場勢力すべてが最終的にひとつの目標に向かっていくのは王道というほかなし。文句なし。ただひとつ、ヒガナの扱いに不満が残った・・・。
‐自分の中で勝手にヒガナが大きいものになっていた
空想を楽しく沸かせる期間、というのがどうもダメだったらしい。「あのヒガナさんをこんな扱いにしやがって!」という自分勝手な怒りをどう表現すればよいか難しいところではありますが、これは自分の中にあったポケモン作品に対する漠然とした不満と結びつき、異形の悪魔と化しました。
‐ポケモンに対して気になり続けていた点
ポケモンをRPGの側面からみた場合、「主人公が短期間で覇者になりすぎる」という問題があります。BWあたりからどうもそういう点をストーリー側がわざわざ強調してきますし、さらにはバトル以外の要素も主人公がすごい!と。
そんななか問題のヒガナ
ヒガナは言ってしまえばリメイク版の追加コンテンツ。自分を揺さぶってくれたあのBGMそのもの。ストーリー終盤、ホウエンの世界の存亡をかけたシリアスな展開、明確に語られてはいないが明らかに大切な何かを失うほど自分を犠牲にしてまでホウエンを救う使命感に動く伝承者ヒガナ。
クリア後にいろいろな他人の感想や考察を読みました。ヒガナの立ち回りが理にかなってないとか、大事なことが語られなさ過ぎるとか、色々言われてます。そんなのはいいんです。ただただヒガナが救われなさすぎる、この一点です。伝承者としての使命、何代にもわたってホウエンを救うために動き、またヒガナ自身も自分を56してまで尽力したのだろうというのが想像できます。そんな人がポケモンの悪い癖「主人公がすごい!」の踏み台に簡単になってしまったのです。ほぼ主人公の役割であるにもかかわらず、主人公ではないという一点だけで主人公の踏み台になった上に、その救済が一切ありません。結果論だけで言えばヒガナは大事な何かを失っただけの存在になったのです。なぜ適任者がヒガナから主人公に移ったのか?一切語られないがゆえに「主人公じゃなかったから」と解釈するしかないのです。
そしてヒガナ推しに
こんなかわいそうなキャラクター、ポケモン原作史上存在しただろうか?公式で冷遇、ネットの評判も悪い。すかぽんのにちじょうは、これからもヒガナを推していきます。よろしくお願いします。